カープ 一躍激戦区のポジションにした男
今季、キャリアハイを記録したのが磯村捕手。
今季は自己最多の65試合に出場、打率.278、4本塁打、21打点というキャリアハイの成績でした。
数字だけ見れば、決して目を見張るほどの成績ではないかも知れません。
でも、そのポジションには、現在、世界野球プレミア12に出場している球界屈指の打てる捕手・會澤翼捕手という不動の存在がいるだけに数字の価値は計り知れないはずです。
さらには、チームをずっと支えて来た大ベテラン石原の存在もあります。
そんな争いの中で、會澤翼捕手にも匹敵しそうな打撃を魅せて、ここぞというチャンスで代打起用されるなど、そのバッティングセンスがきらりと光ったシーズンでした。
會澤、石原と存在している以上、捕手ではまだ第3の男と言われることもしばしば。
それでも、出場試合数からして、実質すでに第2の捕手と言われても過言ではないと思います。
そんな磯村捕手、今季のスタートするときは、正直言うと特筆すべき期待は感じられなかったです。
ところが、一躍輝くきっかけになった試合があります。
それは、5月15日マツダスタジアムでの対ヤクルト戦。
3対7で迎えた最終回、4点のビハインドを追いかける中で1点を返して4対7で1死満塁のチャンスに代打に起用されたのが磯村でした。
私も、当日現場で観戦していましたが、「代打磯村」と告げられた時には、周囲の声援は微妙なものでした。
そこまでの実績からのイメージがそういう雰囲気にさせたのだと思いますが、結果は1点差に迫るレフト前タイムリー。
このあたりから、もともと打撃センスが光っていた磯村選手の存在感が出てきたように思います。
今季中盤以降は、右の代打の切り札的な起用もされていたほどです。
そして、残した数字がキャリアハイでした。
レベルの高い激戦区ポジション(捕手)
打てる捕手で脚光を他球団からも注目されている會澤翼捕手。
負けず劣らない磯村の打撃センス。若手投手の時にマスクをかぶることが多かったです。
ジョンソン専属ともいえる石原捕手。
カープの1軍の捕手と言えば、この3捕手と言えますが、なんのなんの。
今季1軍での出場試合数を重ね経験を積んだ坂倉。
捕手としての起用よりも、外野手での起用が多かったとはいう、捕手登録選手。
昨季まではファームで第1捕手として起用されていたので経験十分。
そして、ようやくケガなどのアクシデントを乗り越えて始動し始めた中村奨成捕手。
石原捕手を除いては、どれもバッティングに定評ある捕手ばかりで、他球団から見ればうらやむような捕手陣になっています。
さらに、今ドラフトで石原(天理大)を指名。すでに契約も完了しています。
新人選手ですから、どれだけの活躍を見せてくれるか全く白紙ですが、とにかく充実した捕手がそろった感はあります。
ここまで、バッティング面の良さで書いてきましたが、捕手で一番大切なのはリード面。
坂倉、中村捕手には、そのリード面にいろいろ課題はあると思いますが、磯村捕手のリードは既に実績があります。
今季の実績を糧にして、會澤、石原捕手に何かあった時に十分カバーできる存在は頼もしい限りです。
誰がスタメンマスクを被っても違和感ない3捕手ですから、来季の正捕手争い、會澤捕手が一歩リードとはいえ、スタメンマスクは誰が被ってもおかしくないハイレベルな激戦区となりました。