小園の秘めたる長打力にカープファンなら気づいている
ドラ1で初めて迎えたシーズン終盤、田中広輔選手の極度の打撃不振もあって、ショートのポジションを務めた小園選手。
それでも、カープファンは、昨年の小園選手には満足してないはず。
打撃も、2割そこそこの打率に終わり、高卒ルーキーとしてはよく頑張ったと言いたいけれど、期待が大きかった分、物足りなかったというのが正直な感想。
定評があったはずの守備も、拙いプレーを連発して、敗因になったこともありました。
特に、2塁菊池選手とのコンビネーションが合わないシーンも見ました。
それでも、プロとして1年経験を積んで迎える今季、さらなる飛躍が期待できるはず。
そんな中で飛び出した、小園選手の2けた本塁打への意欲。
昨季、試合をしっかり観戦していたファンは、小園選手の秘めたる長打力には気づいていたはずです。
だからこそ、今回のこの2桁本塁打へ意欲に違和感を覚えたファンはいないはずです。
広島・小園海斗内野手(19)が16日に廿日市市内の大野練習場で合同自主トレに参加し、球団史上初となる高卒2年目以内でのシーズン2桁本塁打に意欲を示した。ドラフト制以降の高卒2年目では1990年江藤智の5本が球団最多。年始にピラティスを導入するなど肉体改造に着手し、昨季4本塁打からの大幅増を期した。
遊撃の定位置奪取の先には、赤ヘル史への挑戦が待っている。小園は合同自主トレ内でのフリー打撃にとどまらず、マシン打撃を追加して約50分間にわたって振り込んだ。会沢ら主力組はマツダスタジアムが拠点で、同じ大野練習場にいた新人らと比べて打球の質の差は明らか。確かな手応えのまま、今季目標を具体的な数字で示した。「本塁打は狙ってないし、そう簡単には打てない。ただ去年は後半戦で4本打てた。今年は10本、2桁を目指して頑張りたい」
ドラフト制以降で高卒2年目での球団最多本塁打は90年江藤智の5本。三村敏之(3本)、前田智徳(4本)ら高卒入団で飛躍した歴代の先輩も2桁には届いていない。昨季は58試合で4本塁打。合同自主トレを視察した東出2軍打撃コーチからも「今日のメンバーでは群を抜いている。最終的には20発打てるようになってほしいし、最初から形にこだわって小さくなってほしくない」と発破をかけられた。
肉体改造を目指し、年始には大阪府内でピラティスを初体験した。体幹を含めた筋力強化や柔軟性向上につながり、同僚の西川も日本ハム・近藤らとの合同自主トレで導入している。
「弱いところを中心にやったので、かなりキツかったです。体幹が強い方ではないし、夏場にバテて1年間やれる体力がなかった。シーズン中にもやれたらいいな…と思っています」
前日15日には遊撃を争う田中広が「タナキクをもう一度全国の皆さんにアピールできるようにしたい」と宣言したばかり。小園も遊撃にかける思いでは負けられない。「まだ自分の実力では無理なので、少ないチャンスをモノにしたい。一つのポジションをつかめれば、ずっと試合に出られる。遊撃を獲りにいくつもりで頑張ります」。し烈な定位置争いが成長速度をさらに速めるだろう。(河合 洋介)
田中広輔選手の復活を願うファンの心の葛藤
小園選手の活躍を願う反面、田中広輔選手の復活を願うファンも少なくないです。
ショートのポジション争いも例年以上に熾烈になっています。
昨年、小園選手が入団してきた時、正直に言うと、田中広輔選手がいる限り、そうそうショートのポジションはつかめないと思っていました。
少なくとも1~2年は、ファームで鍛え上げられて、1軍に上がってくるものと思っていました。
ところが、周知の通りの田中選手の極度の打撃不振。
そのチャンスを逃さずにポジションにはまった小園選手に期待したファンは多かったです。
ところが、今季は田中広輔選手は虎視眈々と正位置を奪い返そうと狙っています。
そのポジション争いに関心が集まりそうですが、田中選手の打撃の調子が戻れば、まだまだ小園選手に奪われるものではないと思っています。
佐々岡監督は1番野間に期待を抱いているようですが、1番田中2番菊池のコンビは、何でもできる期待と、相手からすれば嫌らしいコンビに、捨てがたい打順です。
選手会長就任した今季、田中選手の意欲も凄いものがあります。
とにかく小園選手に大きく覚醒して欲しいという期待と、田中広輔選手の経験と実績に対する期待に、しばらく心の葛藤が続きそうです。
だからこそ、今年のカープの強いんです。